景気回復の実感が薄いのは日本人が貯金好きだからじゃない本当に余裕がないから

日本人は貯金が好きで、なかなかお金を使わないため経済が活発化しない。だから景気が良くならないなんてことを耳にしますが、実際はチョット違うようです。

2015年12月のニュースによりますと、アベノミクスにより急速な株高円安になり、追い風が吹いている証券投資市場にお金が流れそうなものですが、投資へお金を回さず貯金している人が多いのではないかというような記事が出ています。

個人のお金を預貯金に眠らせたままにしておくのではなく、元手として活用して資産形成する方向に導く「貯蓄から投資へ」。金融庁などが掲げるスローガンだが、実際の保有率は依然預貯金がダントツで、株式など証券投資は4分の3の人たちが必要とは思っていない-。証券の業界団体が3年に1度まとめる全国調査の最新版で、こんな実態が明らかになった。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」がもたらした急速な株高・円安をはじめ、近年は証券投資にとって追い風となる変化が起きたが、世の中の意識を大きく変えるには至っていない。
引用元:【経済インサイド】アベノミクスでも盛り上がらない庶民の「貯蓄から投資」 意識調査から浮かび上がったお寒い現実…

このようなニュースはよく目にしますから、私も日本人は貯金好きな国民なんだと思っていました。しかし実際は十分に貯金できるほど稼いでいる人は一握りの人で、それ以外の人はギリギリで生活しているようなのです。

「経済協力開発機構」であるOECDでは、いろいろな統計を取っていますが、その中には世界各国の貯蓄率の比較というものもあります。
この統計値はGDPに対するパーセンテージとして示されています。
2011年から2014年の41か国で比較されている統計を見ると、日本はほぼ34位、下から8番目という順位になっています。
常に20%を誇っているノルウェーをはじめ、10%前後をキープしているスコットランドなどの北欧・欧州と比べると、日本の2011年から2014年までの平均0.9%という数値はあまりにも少なく感じます。
引用元:日本の貯蓄率は世界41か国中「34位」(下から8番目) なぜ日本の貯蓄率は低いのか?(マネーの達人) – Yahoo!ニュース

このデータは調査規模が変更される前までのデータなので、調査規模が縮小された今のデータとは違いますし、景気も変動しますから今のデータではもう少し貯金出来ているようですが、それにしても日本人の貯金は少ないようです。

給料の20パーセントぐらいは貯金可能であるという国もあれば日本のように数パーセントの貯金もままならない国もあるようです。

数パーセントの余力も無いって大変な事ですよね。業績悪化で給料が10パーセントカットなんてことになればやっていけなくなるレベルです。

DODA平均年収ランキング2017によると、関東地域の平均年収は440万円程度ですから、ボーナスなどをわけずに12で割ったら一月に36万円。地方だと平均年収が380万ぐらいですから31万ぐらいの月給という事になります。

平均なので、ずば抜けてもらっている人もいるでしょうから一般家庭で感じる平均月収はもっと少ないかもしれませんが30万円の月給だと仮定して考えてみましょう。

この給料のなかから税金などをひかれて、家賃や家のローン、光熱費も支払わなければいけませんし、学費や食費も必要です。少しぐらい趣味や娯楽に使うお金も必要でしょう。それなのにそこから3万円の貯金をしようとすると節約しなければ厳しいですよね。

そう考えると、日本人がお金を貯め込んでいるという間違った認識の元で安心して浪費してしまうような感覚は改めた方が良いということになります。

投資せずに貯金してばかりで経済が好転しないのではなく、投資する余裕なんてないだけだったんです。気を付けないと気付いた時には取り返しのつかない事になっていそうなので節約できるところはしっかり節約していきましょう。