栃木県那須町の「那須温泉ファミリースキー場」で雪崩が起こり、高校生らが巻き込まれたニュースを見ていて、私が高校生だったころの登山を思い出しました。
雪崩に巻き込まれるような大惨事ではなかったのですが、私にはかなりの恐怖でした。昔の事をほとんど覚えていない私が覚えているくらいですから相当なものです。
那須温泉ファミリースキー場で起きた事故は防げなかったのでしょうか?
前日から出ていた大雪なだれ注意報をうけて、茶臼山への登山から、雪をかき分けて進むラッセル訓練に切り替えたそうですが、雪崩が起きた場合、重力があるので下に雪崩れてきますよね。そんなことは高校教師でなくてもわかります。なのに登山しなければ良いだろうと甘くみてしまったのでしょうか?
雪山では、せっかく来たんだからと無理な行動をとると大変なことになるのは素人でも分かることですが、現場にいるとついつい決行してしまうものなのでしょうね。
私が高校生のころ、研修という名目で田舎の研修施設に缶詰めにされて、朝から晩まで勉強させられるというスパルタなイベントがありました。その日程には近くの山に登山をすることも組み込まれていました。ちなみに雪山じゃないですよ。
山登り当日、天気は良くなかったのですが私たちのクラスから順に登り始めました。登りだすと霧が濃くなり視界がきかなくなってきました。前の人の背中を必死に追いかけないと迷子になるかもしれません。ごつごつと石だらけのどこが道かもわからない斜面を登りながら、前の人を確認しつつ後ろの人を確認しながら登りました。
後ろの人が遅れだしたので、声をかけて励ましていると前の人の姿が霧で見えなくなりました。三途の川の河原のような石だらけで霧に包まれた世界で、前の人を見失うなんてかなりの恐怖です。
慌てて追いかけたのですぐに追いつけましたが、あの心細さはすごかったです。なんとか全員下山してビックリしたんですが、私たちのクラス以外はすぐに引き返していて誰も登ってなかったんです。
先頭を行く担任と無線連絡が付かなかったので、あんな事になったそうです。ジャージ程度の軽装で眉毛や前髪に氷が付くような厳しい登山でしたが、無事だったので今となっては笑い話です。
しかし今回の雪崩事故は悔やまれますね。あきらめる勇気も重要だと思いました。