図書館の前で見知らぬオバサンに声をかけられました。
そのオバサンは私の前に並んでいるオジサンにも声をかけていたのですが、オジサンには相手にされなかったようで、話す対象を私に変えたのです。
なんだか焦っている感じのオバサンからビニール袋の束を託されました。
図書館の本も返却ボックスに返すことができる
私が図書館前に付いたのは開館10分前の事でした。借りていた本を返すだけだったら返却ボックスに入れてしまえばいいのですが、ネットで予約した本の順番が回ってきていたので、開館を待つことにしました。
返却ボックスなんてレンタルビデオ屋のようですが、図書館にも厳重なボックスが用意されていて、ポストのように本を入れると係りの人以外は取り出せないようになっています。
自動貸し出し機もある
この図書館には自動貸し出し機が設置されています。
利用者カードを差し込み、借りたい本を自動貸し出し機に乗せると、本に貼りつけられたICタグの情報が読み取られて自動的に貸し出し処理が完了します。
使い方はスーパーのセルフレジよりも簡単です。簡単すぎて本当に借りて帰って良いのか心配になるほどです。
貸し出し窓口が混雑しないように設置されているのですが、この図書館は蔵書数が少ない為、本館の本を予約して取り寄せてもらう事が多いので、結局は窓口に並ぶことになります。
そのためあまり使っている人は見かけません。
オバサンから託されたビニール袋とは?
図書館前でオバサンに話しかけられた内容はこんな感じでした。
「自動貸し出し機の横の箱知ってる?」
「返却ボックスに入れても良いかもしれないけれど、怒られるかもしれないし」
「断捨離にもなるからいいでしょ」
「ビニール袋は返却ボックスに入れるのはね・・・」
これでは前に並んでいるオジサンに相手にされなかったのもうなずけます。
このオバサンが言いたかったのは、「自動貸し出し機の横にビニール袋を入れる箱がある。私は開館まで待っていられないので代わりにこのビニール袋を入れておいてほしい。」という事だったようです。
私は話が飲み込めたのでビニール袋を預かりました。
このビニール袋って何に使うのか、図書館を利用される方ならお分かりかもしれませんが、本を守るための取り組みの一つです。
図書館に来る人の中には、残念ですがあまり本を大切にしない人がいます。
雨の日に手ぶらできて、雨の中を本を濡らしながら帰る人もいますし、ゴチャゴチャのバッグの中に無造作に本を押し込む人もいます。
そんな時にビニール袋があれば雨を弾く事ができたり、カバンの中でグチャグチャになったりすることが防げます。
本当に無神経な人は、この善意のビニール袋すら使わずに本を汚しますが、少しでも気にする人はこのビニールに入れて帰るのです。
普通の人はこういった準備を自分でしますが、ついうっかり忘れてくるという事もありますので、ビニール袋があると助かります。
あのオバサンは善意で、家にある本を入れるのに適している形のビニール袋をかき集めて持ってきてくれていたんですね。
話しかけられたときは怪しい人かと思いましたが、とても良い人だったんです。
私は良い人の手伝いができた事に嬉しくなりました。