ビジネス雑誌から取材依頼がきたんです。
メールをもらったときは嬉しい気持ちで背中に羽が生えてフワフワと宙を漂うようにウカレました。
顔もなぜかニヤケてしまうほど嬉しかったんです。
でも、私の足にはもう一人の私がぶら下がり、舞い上がるのを阻止しようと頑張っていました。
臆病な私は、嬉しいという気持ちとは別に困ったなという気持ちも抱いていました。
本当に良いのか?1時間程度のインタビューなんて何を話すんだ?
取材に来る雑誌の担当者はサラリーマン人生に潜むお金に関するリスクの話を聞きに来る。リタイアしている私に体験談的な話を聞きに来るのでしょう。
リスクに対してどのような備えが必要か、実際の資金管理はどうしているのかなど、雑誌の担当者に対して私がまともに答えられるとは思えない。
発行部数10万部の全国紙ですと言われると、臆病風がさらにに力を増し、強風になりました。
雑誌に出るとブログの認知度は上がるでしょうが、私はまだまだそんな人間ではないと思い、早々にお断りのメールをおくりました。
妻は「出ればよかったのに」と笑ってますが、やっぱり無理です。
しかし、なぜこんなに臆病なのかと考えてみると、百田尚樹さんの「夢を売る男」という小説の存在が思い出されました。
「夢を売る男」という小説は、出版社主催の小説新人賞に応募した人達に、「惜しくも落選しましたが、あなたの作品を埋もれさすのは非常にもったいない」という電話がかかってきます。
その連絡は次第に範囲を広げて、ブログの投稿者にも届くようになります。ネタバレするのでこのくらいにしておきますが、読んだことが無い方は一度読んでみてください。面白いですよ。
今回の取材依頼とは全く関係ありませんが、百田尚樹さんの小説を読んだおかげで、世の中にはこういった裏もあるんだという知識を得てしまった以上、警戒心も働いたのだと思います。
雑誌の担当者さまには大変失礼な話で申し訳ありませんが。
もっと自分に自信があれば、違った結果になっていたかもしれません。頑張らないといけないなと思いました。